【 西国三十三所 東京出開扉 記念スタンプ (昭和十年十月) 】


◆【昭和10年10月11日から十日間、都内近郊において西国33観音の東京出開扉が行われた。その際、各奉安場所のスタンプを押された記念カードが配られた。カード提供は友人のgorogoroさん】

▲ 第一奉安所だった港区芝公園の増上寺。浄土宗大本山で江戸33観音21番の札所である。古くから徳川家の菩提寺として二代将軍を始め6人の将軍の墓所がある。本尊の阿弥陀は長年のススなどで黒ずみ、黒本尊の名がつく。

▲ 第二奉安所だった港区南青山の善光寺。長野の善光寺の別院でR246号青山通り沿いに建つ。善光寺は全国に200ほどがあり善光寺信仰の厚さを物語る。
▲ 第一奉安所、芝公園の増上寺のスタンプ ▲ 第二奉安所、青山善光寺のスタンプ
▲ 銀座伊東屋のスタンプ  ▲ 京浜電鉄のスタンプ
▲ 東京市電気局のスタンプ ▲ 渋谷 東横百貨店のスタンプ


◇右は西国三十三札所
 東京出開扉記念奉賛会
 のスタンプ。

◇出開扉でのこのような記念スタンプ発行はあまり例がないが、東京という立地条件と奉安所の多さを考えると、大勢の善男善女が各奉安所を巡った事であろう。さらに今にしてそれらのカードが残されていた事にもご縁を感じるものである。
◇護国寺は、真言宗豊山派の寺院で、3代将軍徳川家光の側室で、5代将軍綱吉の生母、桂昌院の菩提寺として建てられ、如意輪観世音を安置する。また念持佛の天然琥珀 如意輪観世音は秘仏とされる。
▲ 第三奉安所だった文京区の護国寺
▲ 第三奉安所、護国寺のスタンプ
▲ 第四奉安所、浅草寺のスタンプ

▲ 第五奉安所、両国回向院のスタンプ

     
▲ 第四奉安所だった台東区の浅草寺 ▲ 第五奉安所だった墨田区両国の回向院観音堂 




◇出開扉、今で言う出開帳を行い、霊場の寺院修理、維持などの為に勧進を行なっていた。
近年では、東北震災供養のため、仙台市で西国33観音、本尊御軸出開帳が行われた。