◆関東地方に点在する坂東三十三観音霊場と御朱印を紹介しています。<p1/5> 札所1番〜7番
【写真上】は坂東1番・杉本寺と寺名の扁額。奉納された40〜50本もの「十一面杉本観音」の幟旗が立つ。鶴岡八幡宮から凡そ20分の歩きとなる。県道沿いの歩道は狭い。そばの滑川沿いの方は車が少なく散策がてらに甘味処も面白い。ご朱印は、ここが最初の朱印の時のみ「発願」の印が押される。本尊は十一面観世音。
【写真右】は、前の県道204号から境内への石段で、本堂周りと同じ奉納旗がびっしり立ててある。寺は鎌倉33観音の1番や鎌倉24地蔵の4,6番の札所を兼務する。
















【写真上】は2番の岩殿寺観音堂と「海雲山」の扁額。JR逗子駅から北西に20分ほど進み町並みを抜けると坂東札所の大きな標石碑が見えて来る。参道の右手が斜面で左手には閑静な住宅が続く。登りの参道を進むと奥に山門があり潜って石段を上がると本堂がある。更に石段を上がると六角形の観音堂にたどり着く。本尊は十一面観世音で岩殿観音と呼ばれている。
【写真右】は境内の斜面に咲く珍しいコバノタツナミ草の群生。薄紫で光るような花が印象的である。だがこの草は小川町の大聖寺でも見かける。



















【写真上】は3番・田代寺と「祇園山」の扁額。県道311号の大町3丁目にある。呼び名は祇園山 安養院田代寺と称し、朱印の寺名は安養院だが墨書きは田代寺となっている。鎌倉駅から大町四つ角を通り、歩いて約15分くらいで着く。来る手前には13番の別願寺がある。境内には多くの花木があり愛でる事多し。本尊は千手観世音。
【写真右】は、本堂周辺に咲くツツジの群生で、色も多種咲く。他にもエビネ、シャクナゲ、シャガなど多種の花々が楽しめる。秋には山門前のススキの群生が風情となる。寺は鎌倉33観音3番、鎌倉24地蔵24番の札所を兼務する。


















【写真上】は4番・長谷寺と「長谷観音」の扁額。江ノ電の長谷駅から3分も歩くと長谷寺参道になる。沿道には旅館、オルゴール館、食事処など立ち並ぶ。また人力車での観光客も目に付く。境内の高台に本堂があり、周りには紅葉の木々が茂っている。外国からの参拝者も多く見かけ国際色を感じる。本尊は十一面観世音で約9mの木造。
【写真右】は、本堂への登り道沿いは秋には色づききれいである。山門に下がる長谷寺と書かれた赤い大きな提灯が特徴。寺は鎌倉観音4番の札所でもある。
















境内の紅葉

【写真上】は5番・勝福寺と「飯泉山」の扁額。寺は奈良時代の創建と云われている。本堂と本尊は県の重文に。境内の大銀杏は県の天然記念物に。仁王門は小田原市の重文にそれぞれ指定されている。また12月に催されるダルマ市は、神奈川のまつり50選にもなっている。本尊は十一面観世音で飯泉観音と呼ばれている。
【写真右】は十三仏の石仏が並び、全て水掛けになっているので、参拝者はお願いしながら次々と水をかけてまわるか、自分の干支本尊に水掛け祈願をする。寺は関東108地蔵14番を兼務する。















境内の水掛け十三佛

【写真上】は6番・長谷寺と「普門閣」の扁額。県道60号の飯山観音入口を曲がるとあとは登り一直線で山門下の駐車場に着く。ここから山門をくぐるとかなりの石段が待ち受ける。本尊は十一面観世音。
【写真右】は、長い石段を上がった所から遠く厚木市内を望む。ここから県道60号に出る近くには飯山温泉があり、その県道を西に向かうと別所温泉などもある。昭和10年代には小田急沿線武相33観音霊場というのがあり、坂東の6〜8番も入っていたが、今は機能していない。
















【写真上】は7番・光明寺と「金目山」の扁額。本堂まわりには「南無観世音菩薩」の幟旗がひしめく。創建は奈良時代といい、国や県の重文に指定されている。また境内にはマニ車が建ち、お百度参りに使われている。本尊は聖観世音で金目観音と呼ばれている。
【写真右】は、朱塗りの山門で多くのワラジが奉納されている。南側には金目川が流れ下流は湘南海岸に注ぐ。門前近くには菓子処が点在し、地元の甘味が味わえる。また春になり金目川堤の桜が咲くと、寺と桜が絵のように溶け込むという。花見の時期にも再来したい。