◆埼玉県秩父地方に点在する秩父三十四観音霊場と御姿納経を紹介しています。<p2/5>














【写真上】は8番・西善寺と「ご詠歌」の扁額。国道299号沿いに札所八番の看板が何ヶ所も立っている。それに従い西武線を潜って高台に向かうと寺の屋根が見えてくる。堂内には他の寺院にも見られる吊るし飾りが下がっている。本堂西側からは武甲山が迫るように見える。本尊は十一面観世音。
【写真左】は、境内を埋め尽くすように枝葉を広げるコミネモミジの古木で、県の天然記念物にも指定され11月下旬頃赤く色づく。その枝葉の下には六地蔵尊が並び立つ。寺は東国花の寺百ヶ寺14番札所を兼務する。
















【写真上】は9番・明智寺と寺名の扁額。国道299号の横瀬町立図書館前から西に向かうと300m程で寺に着く。明智寺は平成2年に建て替えられている。六角形の本堂と庫裏や納経所も併設されている。堂内には、かつての古い扁額も掲げてある。九月時期には、境内の金木犀が香り秋明菊が咲き揃う。本尊は如意輪観世音。
【写真左】は、六角形の堂内には吊るし飾りや絵巻の奉納額がある。秩父札所巡りの際、この絵巻奉納額も全札所に奉納されているようなので、別の視点から絵巻奉納額巡拝も良いかも。また寺前の道は大型セメント運搬車が結構往来する。
















【写真上】は10番・大慈寺と「施無畏」の扁額。国道299号の坂氷から県道11号に入り、最初の信号を細い道(旧道)に入ると間もなく大慈寺の標石と石段が見えてくる。石段の上に山門が建つ。県道からも見える所からも寺には行けるが、旧道を辿った方が昔の面影や風情がある。本堂内には赤いオビンヅル様が鎮座、つい頭をつるつると…。本尊は聖観世音。
【写真左】は、納経所壁に格子の網に吊り下げられたインパチェンスが縦に伸び咲いている。他にもあちこちに曼珠沙華も咲く。山門前に立つと芦ヶ久保方面の山々が眺望できる。















【写真上】は11番・常楽寺と「坂氷観音」の扁額。国道299号の熊木町のカーブの東側に駐車場があり、そこから緩やかな参道を上がっていく。本堂正面からだと急な石段を上がる事になる。上がった境内からは秩父市内の眺望が良い。本堂右手に納経所がある。本尊は十一面観世音だが、坂氷地区にあるので坂氷観音と呼ばれている。
【写真左】の左側は境内に咲く白い百日紅。右側は入口参道脇に立つ常楽寺の標石で、札所の字が補陀所となっている。また道路の南側は丘になっており、武甲山資料館、芝桜で有名な羊山公園、姿の池などの観光地になっている。


















【写真上】は12番・野坂寺と「佛道山」の扁額。寺の東側は羊山公園となる。国道140号の南小前を東に入り突き当りを右折して鉄道を渡ると参道が見える。駐車場前にはどっしりとした大きな山門があり、その山門の真ん中には篤信家から寄贈された観音像があり、通称あずかり観音と呼ばれている納経所は本堂右手に。本尊は聖観世音。
【写真左】の左は境内に咲くサツキで、きれいに丸く剪定されている。右側は参拝の帰りに見える山門裏の二階に、デザイン化された観音、阿弥陀、不動がある。一瞬その縁取りが夜になると光るのかな…とも思う。













【写真上】は13番・慈眼寺と「大悲閣」の扁額。めの祈願と、めぐすりの木があり、境内には本堂のほか瑠璃堂、地蔵堂、経蔵があるが、それぞれに回向柱が建ち、同じように12年に一度の回向をまとめて行うという。また経蔵内には壁面に各種仏さまが、中心の心柱には経文を収めた経箱があり、回しながらお経を唱えるというマニ車のようである。本尊は聖観世音。寺の開山は下宮地町の広見寺というが、広見寺は曹洞宗の秩父別格道場である。
【写真左】は、山門と境内に見える鐘楼堂である。寺は秩父鉄道のお花畑駅西口から70〜80mと近い。














【写真上】は14番・今宮坊と「圓通閣」の扁額で、本堂右手に納経所がある。本尊は聖観世音。境内の周囲は路地に囲まれ、しかも車や人、多くの巡拝者がいつも行き交っている。かつては東側にある今宮神社を含めた広い土地であったが、明治期の神仏分離令で今のような敷地になった。境内は中町の災害時の一時(いっとき)集合場所にも指定されている。
【写真左】は境内の勢至堂で勢至菩薩を安置する。因みに勢至菩薩は午年生まれの守り本尊である。13番・慈眼寺前の通りを西に進み、花之木小入口を北に向かう細い道を進むと今宮坊に着く。慈眼寺から凡そ600m弱の道のりである。