◆写真左上は、21番・大悲願寺と境内にびっしりと咲く白ハギの群生。また寺院
は「多摩新四国88ヶ所59番」や「東国花の寺百ヶ寺第11番」と「武蔵五日市七
福神(大黒天)」などの札所を兼務する。また毎年11月には「ご詠歌の会」も催
される。左の扁額「無畏堂」は、無畏…観世音菩薩の別称で、観音堂という事
になる。

     ◆写真右は、寺の南側にある 時代を感じさせる通用門。そして両脇には30mは
     あろうかという長い板塀が続き、この地域の真言宗寺院の古刹となっている。
     土日には門の所に縁台が出て、地元の物産が揃う。売り手の年配者からは、
     昔の地域話なども聞けるのも楽しみとなろう。

*ご詠歌は、「神仏の胸の奥義を開きなば 真言不思議の 加持とこそ知れ」

21番・ 金色山 吉祥院 大悲願寺

◆写真左は、境内にある観音堂で、中の「如意輪観音」は通称:尾崎観音とよばれている。いろいろな扁額や絵馬も奉納されていて、地域信仰の篤さが感じられる。また、「玉川24番」という番号印が残されているがこの玉川札所については詳細不明。

◆写真右は、宝蔵寺の本堂で大きな百日紅の木がある。また、この寺院は「ぼけ封じ関東33観音9番」や「関東91薬師7番」霊場を兼務する。

*ご詠歌は、「山鳥の尾崎の春の永き日も 宝の寺に 入合のかね」

18番・光雲山 宝蔵寺


 8番〜14番← ◆ 15番・大行寺〜21番・大悲願寺 ◆ →22番〜28番

◆花蔵院(けぞういん)は、通常無住。周囲を自然に囲まれ静かに所にある。入口の四脚門(写真右)は鎌倉か室町時代の作りと言われている。また天正年間には北条氏照の祈願所だったらしい。管理は大行寺である。
 山号は当初、草花山ではなく園花山と号していた。本尊は、木像の不動明王で長さ一尺六寸。智証大師の作とされる。
 また、花蔵院の周囲は広く羽村草花丘陵自然公園になっており、自然の懐に抱かれている感じを受ける。

*ご詠歌は、「詠(よみお)れば元はいろいろ草花の ひらく野辺さへ 浄土なるらん」

16番・ 草花山 明王寺 花蔵院


◆写真上は、松岩寺参道前には真っ赤なカンナの花が咲いている。境内には、「このてがしわ」や「いろはモミジ」などの大きな木があり、みな市指定の記念物になっている。

◆写真右、境内をのんびり散歩する鴨のつがいが微笑ましい。
 県道185号線から200mほど脇に入った山間にあるのでとても静かである。

*ご詠歌は、「松岩(しょうがん)の鐘の響きに夢さめて 御法(みのり)の声を 聞くぞ嬉しき」

20番・ 芙蓉山 松岩寺





◆写真左上は、寳光寺惣門で、門をくぐって道を上がって行くと中門があり、さらに其の先に山門がある。惣門脇の古い制札には、「山内の立ち木、落ち葉や下草などを盗み取りし者は罰金に処す」というのがある。

◆写真右上は、色づいたイチョウと、寳光寺や鐘楼など広い境内がある。裏山もほど良く紅葉していてきれいである。

*ご詠歌は、「めぐり来て今宵はここに鹿の湯の 出るも入るも弥陀をとなえよ」

19番・ 塩沢山 宝光寺

▲五日市中学の西側の道を北へ山間に沿って上がって行くと、24番・楞厳寺(リョウゴンジ)薬師堂がある。そしてその裏をさらに少し上がると、もう自然の中に飛び込む。地域には昔から家もあり、お堂の話しも聞ける。

15番・ 鎮守山 大行寺

◆新義真言宗 大行寺。「多摩新四国88ヶ所57番」の札所でもある。
 かつては大悲願寺住職の隠居寺(塔頭)であったという。現在南側参道前には、拡幅した新道が通っている。
 本尊の不動明王は、木像で長さ二尺ばかりとある。

*ご詠歌は、「極楽の門前近き大行寺 聞かま欲しきよ 法(のり)の声々」


17番・ 福寿山 慈勝寺

◆慈勝寺はモッコクの木で有名だが、こちらはタブノキの大木で、本堂屋根を越して見えるので見ごたえがある。市指定の記念物となっている。

◆写真右上は、臨済宗慈勝寺の本堂と背後にそびえるのは、あきる野市指定天然記念物のモッコ
クの大木で、高さ20m以上はあろうか。
 残念ながら大木は、2014年2月の大雪で倒木し、一部の枝は本堂に突き刺さったとか。
その後、切り株からは新芽が次々と育っている。
 その昔、木造の観音像があり「朝日観音」と呼ばれ、近隣の信者も大勢いたそうだが、
現在その観音様はないらしい。
 また「玉川18番」という札所でも有名だったらしいが、玉川札所についても詳細不明で
ある。…ただ、秋川18番の宝蔵寺には「玉川24番」の番号印が残されている。また慈勝寺は、
「奥多摩新四国88ヶ所37番」の札所でもある。

*ご詠歌は、「ふだらくやあさひ輝く慈勝寺の 泉も深き 誓いなるらん」