◆昭和9年(1934)に開創された「奥多摩新四国八十八ヶ所霊場」は、
平地から多摩川や名栗川沿い、多摩湖や狭山湖周辺の丘陵地帯、
そして御岳山や日原鍾乳洞など山間部へと
変化に富んだ霊場である。
開創当時は巡拝が主なものであったが、
その後、昭和46年頃には専用納経帳が出され、
これを機に昭和50年代にかけては、
バスを仕立ててさらに多くの巡拝者が霊場を巡っていたようである。
かつては都内に東京善心講といった大師講があって
巡拝者のお世話や情報提供なども行っていたようである。



◆令和の現在、
この奥多摩遍路をする人たちはかなり少なく、
"マニアック"という声も聞かれる。
それでも、時折り開山所が開くのを機に
遍路を始められる人々がいることも確かである。
各札所の管理状況は様々で、
特に在家など寺院以外の所では不在等が多々あるので、
朱印帳持参での遍路は、事前準備と時間と根気が必要である。
それは、ある面首都圏にあるのに秘境の札所とも言えようか。
従って困難な故その達成感は本四国に勝るとも劣らない…かも知れない。
とにかく時間はかかるが、ご朱印はほとんど頂ける。
札所によっては、
番号印や寺院印が無いところもあるが
それも時代の流れと、おおらかに捉えて頂ければ寛容かと思います。



◆ここに紹介している朱印は、専用納経帳のもので、
すでに本尊名や寺院等の名、いわゆる墨書きが印刷されているので、
在宅の方がいれば概ね朱印は頂ける。
また、開創時より移動した札所もある。
納経帳は発行当時のままで変更版がないため、
墨書きと違ってしまう札所もあるが、
当時の番号の所に押してもらう事になる。
さらに、自前の納経帳の場合、在家の札所では朱印のみとなる。




 

◆奥多摩札所の本尊は、通常上の図のように
弘法大師像と四国の各本尊名と同じ石仏とが対になっている。
上図は1番で、弘法大師(左)と、釈迦如来(右)…遍路者や巡礼者が使う
半袈裟が掛けられている。
また、本尊が石仏ではなく
木像を安置する札所も数ヶ所ありそれも興味深い。

◆また、奥多摩札所の石仏巡拝のみならば、
場所が分かっているので、地図等で確認して遍路に望めば
日にかなり巡ることができる。








◆弘法大師(専用納経帳より)






札所 1 番 小 山 家〜   札所 6 番 島 田 家

札所11番 儘 多 屋〜   札所16番 金 蔵 寺

札所21番 圓 通 寺〜   札所26番 原 島 家

札所31番 原 島 家〜   札所36番 多 聞 院

札所41番 龍 圓 寺〜   札所46番 東 光 寺

札所51番 石 倉 院〜   札所56番 清 泰 寺

札所61番 日 原 籠 岩〜   札所66番 金 仙 寺

札所71番 雲 慶 院〜   札所76番 蓮 花 院

札所81番 大 徳 院〜   札所86番 永昌院〜番外







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